短編アドベンチャーRPGを作ろう その4
④キャラ設定
仕様テンプレ(脱出探偵簡易版) - Google スプレッドシート
その5に続きます。
短編アドベンチャーRPGを作ろう その3
③世界観作り
前回のブログで、風呂敷を畳もうと言いましたが、脱出探偵も限界まで畳むことに挑戦しました
舞台は不気味なカルト教団のアジトで、ストーリーが展開するのはアジトの密室です
こうすれば密室の中のなぞなぞを入れ替えるだけで済むのでマップも1つ作ればOKということになります。
主人公はカルト教団に囚われたヒロインを助けることを大目的とし、小目的はクイズに答えて部屋を脱出することです。
ただあまりにも風呂敷を畳みすぎたので同じ密室を繰り返すだけになってしまい面白みはなくなってしまいました。
ですのでステージのはじめと終わりに寸劇を入れ、その舞台は密室に限らず教団の外や教祖の部屋で行われるようにしました。その寸劇を見て教団の謎を解き明かしていくことを中目的にしました。
こうして大まかな世界観作りは出来ました。
これくらいの規模のゲームの場合、細かい世界観設定はキャラを作りながら決めていくほうがいいと判断し、キャラ設定の方に移りました
短編アドベンチャーRPGを作ろう その2
②仕様を作る
仕様作りと言っても全然難しいことではありません。RPGツクールには基本的なゲームシステムは備わっているので、僕たちが仕様を切るにあたってやらなければいけないことは、その中の取捨選択です。
脱出探偵は、第一弾タイトルということでバトルを入れずあくまで謎解きに特化させることにしました。
ですので、移動、会話以外の機能は全て切りました。
レベルアップの概念もないのでステータス画面もありません。
ユーザーに見せるメニューはオプションとゲーム終了のみです。
謎解きに関してはシンプル化したかったのでなぞなぞの答えを入力するだけという単純なものにしました。
このように仕様がシンプルなのでユーザーのゲーム目的と手段もシンプルにしました。
目的:閉ざされた部屋から脱出すること。
手段:なぞなぞに答えること。
です。
ここまでシンプル化したので製作物もシンプルです。
ストーリーとなぞなぞ
これだけです。
脱出探偵の場合はキャラ絵を自分で描きたかったので、上記に加えてキャラ絵とドット絵も製作物になりました。
BGMは自分で作りたい!とかタイトル絵だけはしっかり書き込みたい!など、こだわりの部分に関しては捨てる必要はありません。熱い気持ちの部分は制作のモチベーションになるからです。
その3に続きます。
短編アドベンチャーRPGを作ろう その1
今回は僕の自主製作ゲーム第一弾脱出探偵を例にしながら短編アドベンチャーゲーム作りの流れを書いて行こうと思います。今後書いていくブログ内容のミニマムバージョンになると思います。
①ゲーム概要を作る
個人制作でゲーム概要を書く必要はないのですが、書いておくと自分の頭の整理になりますし、Appストアの説明ページを書くときに役に立ちます。
ゲーム概要は、タイトル名やジャンル、プラットフォームなどを書きます。
ファミ通のゲーム紹介の1ページ目によく書いてあるアレです。
ゲーム概要にとくにテンプレートはありませんが、自分用にメインターゲットとアピールポイントは書いておくことをオススメします。ゲームを作っていくと誰向けに当てた何が面白いポイントなのか本人がわかならくなってしまいます。そんな時は、ゲーム概要を再確認すれば気持ちを原点に戻すことが出来るはずです。
大した内容ではないですが、僕の仕様周りのグーグルスプレットシートを公開します。もしよろしければ参考にして頂き、自分のゲーム用に色々改造してみて下さい。
仕様テンプレ(脱出探偵簡易版) - Google スプレッドシート
②メインループを考える
ユーザに繰り返しやらせたいゲームの流れをゲームループと呼びます。その中でもっとも重要なものをメインループと呼びます。ゲーム作りでもっとも重要なことはメインループをしっかり定めることです。売れているゲームはメインループがかなりしっかり定まっています。
モンストを例に挙げると、メニューでモンスターを編成し、クエストに出発することを繰り返すので、メインループは
メニュー
↓↑
クエスト
となります。
ドラクエなどオーソドックスなRPGの場合は、街で情報を聞いたり武器防具を買ってビルドアップして、冒険に出かけてバトルをしたり、新しい街を見つけるを繰り返すので
街
↓↑
冒険
となると思います。
脱出探偵の場合は、謎解きとストーリーパートを繰り返すので
謎解き
↓↑
ストーリーパート
となります。
みなさんも自分のゲームのメインループがなんなのか一度自分なりにまとめてみてください。もしその部分が弱いな~と感じられるならばそこを強化することに全力を尽くして下さい。それがゲームがよくなる一番の近道だと思います。
その2に続きます。
制作に入る前に…『風呂敷を畳もう』編
RPGツクールを触ったことがあるという人は結構いると思います。
ですが、話を聞いてみると皆さん大体こうおっしゃいます。
「最初の街だけ作ってやめた」
RPG制作はやらなければいけないことがあまりにもたくさんあります。
手順通りにやらないと結局途中でやめてしまいます。
どんなに素晴らしい企画でも終わらせることができなければ本当に意味がありません。
なのではじめてのRPG制作は面白いことより終わらせることを優先しましょう。
そのためには、風呂敷を限界まで畳んでいきましょう。
世界の謎を解くRPG
↓
日本の謎を解くRPG
↓
街の謎を解くRPG
↓
学校の謎を解くRPG
↓
教室の謎を解くRPG
このように教室まで風呂敷を畳むことが出来ればだいぶ終わりが見えてきます。
システム面でも風呂敷を畳む必要があります。
オーソドックスなRPGには以下の様な基本システムがあるはずです。
①移動
②会話
③バトル
④レベルアップ
⑤武器防具購入
⑥魔法の習得
正直、初めてのRPG作りでバトルを導入するとほぼ完成しないと思います。
なぜならRPG作りで一番面倒な「レベルデザイン」をしなければいけないからです。
レベルデザインはわかりやすく言うと難易度調整です。
みなさんがゲームをしていてこのゲーム難しいな〜とか、簡単だな〜と思わせる部分です。
このレベルデザインを失敗するとスライムから即死攻撃を受けたり、ラスボスを一撃で倒せてしまえたりとはちゃめちゃなことになってしまいます。
さらに言うとレベルデザインは一つの項目だけで終わる話ではなくそこに絡む全体を作っていく必要があります。
たとえばこんな感じです。
この村には、レベル8位に到着してほしい。道中では敵と10回バトルがある予定で、その間に経験値が300手に入り、お金が1000G入る。そこまでに得られたお金では新しい武器は買えるけど防具を買うにはお金が足りない…
考えただけで発狂してしまいそうですよね。
しかもこのレベルデザインというのは、ゲームで採用するシステムによって変わるので答えがまったく存在しません。つまり何かを参考にすることが一切出来ないのです。
ですので一番はじめのRPG作りでは、③以下を切り捨てることをオススメします。
これなら世界観作りと、シナリオとキャラ作りだけでなりたちます。
こうして、世界観、システムともに風呂敷を限界まで畳めば終わりがなんとなく見えてきます。
僕自身、第一弾の個人制作ゲーム『脱出探偵』はそのように作りました。
今後作成予定のブログ内容
このブログではRPG制作を項目ごとに順を追って説明していくつもりです。
以下が今後更新予定の内容です。
『制作に入る前に…「風呂敷を畳もう」編』
『短編アドベンチャーゲームを作ろう編』
『本格的RPGに挑戦しよう編』
『仕様編』
『UI設計編』
『世界観設定編』
『キャラ設定編』
『全体レベルデザイン編』
『プレイ時間レベルデザイン編』
『HPレベルデザイン編』
『攻守レベルデザイン編』
『武器防具レベルデザイン編』
『被ダメレベルデザイン編』
『与ダメレベルデザイン編』
『宝箱レベルデザイン編』
『お金レベルデザイン編』
『ものの値段レベルデザイン編』
状況によって順番を入れ替えたり、タイトルを変えたりすることがあると思いますがご容赦下さい。
はじめに
はじめまして 管理人のブチオです。
はじめにこのブログをはじめようと思ったきっかけについて書きたいと思います。
僕は現在、ソーシャルゲームディレクターをやっています。
ゲームディレクターやゲームプランナーはかなり守備範囲の広い職種で人によって得意分野がかなり違います。バリバリプログラミング出来る人がいれば、数字の計算に特化した人がいたり、新規で物事を作り出すのが得意な人がいれば、既存のものを運営する方が得意な人がいたり…
僕の場合は、プログラミングがまるっきりダメですが、元々漫画家志望なので、絵やシナリオなどコンテンツ周りは得意です。ですので、今のプロジェクトの主な仕事は世界観設定とキャラ設定、シナリオプロット作りです。
仕事で世界観を考えたり、シナリオを作っていると、「ああ…いいアイデアなんだけどこの企画では使えないな…」ということが多々あります。そんなアイデアや企画が積もり積もって自分オリジナルのゲームが作りたくなってきます。ですがいかんせん僕はプログラミングが出来ないので、企画を実現する術がありませんでした。
そんな中、2015年12月にRPGツクールMVが発売されました。
RPGツクール自体は昔から知っていたのですが、今回のMVはスマホに対応している
ということにビビッときました。自分のゲームがAppストアに出せる!
これは本当に素晴らしいことだと思います。頭の中の妄想を全世界に配信することが出来るわけですから。何よりアイデアはあれど、プログラミングが出来ないという僕にはピッタリのソフトです。
ということですぐに購入して色々といじくって遊びました。最初はものすご~く面白くて大興奮していたのですが、すぐにあることに気づきました。
「これはきちんと手順を踏んで作らないと終わらないな…」と。
プロの現場ではもちろん手順を踏みながらゲーム作りが行われます。ただ、日々手順を踏むことに疲弊してきた僕は、個人制作では好き勝手にしてやろうと決めていました。
実際好き勝手に無茶苦茶な順番で作っていたのですが、やはり終わる気配がしません…
結局の所、手順を踏んで作っていくことがもっとも効率のいいゲーム作りなのです。
家でも仕事モードは嫌だなぁと思いつつ、今まで蓄積してきたノウハウを整理してまとめることにしました。そしてせっかくなので整理した手順やノウハウを公開してみようと思いました。
ゲーム制作は会社のやり方、チームのやり方みなそれぞれなので明確な答えはありませんが、一つのゲーム制作の手順として参考にして頂けたら嬉しいなと思っております。
この日記はRPG制作と同じように長くなってしまうと思いますが、温かい目で見守って下さい。